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◎〔週間外為見通し〕米利下げ・円緩和温存の理由を読む局面=岡三オンライン・武部氏

     武部力也・岡三オンライン証券投資情報部長兼シニアストラテジスト=「FRBは全く分かっていない!われわれには無限の可能性があるが、それを妨げているのはFRBだ」。これは10月29日にトランプ大統領がツイッターに投稿した一節だ。欧州中銀や日銀がマイナス金利政策を採用しているのを引き合いに同日開始の米連邦公開市場委員会(FOMC)、パウエルFRB議長への非難となる。
 ◇FRB利下げ打ち止めが信じられない理由
 10月31日午前3時、FRBはFOMCでの利下げ決定を発表。7月、9月会合に続き3回連続の利下げに踏み切った。対中国との貿易摩擦による製造業への悪影響が鮮明化する前に景気拡大を維持するために、つまり「予防的な金融緩和」との位置付けだ。一方で、「現在の金融政策の姿勢は適切な状態である可能性が高い」とパウエルFRB議長が会見で発言している。確かに10月30日に米商務省が発表した7〜9月期米GDP速報値は小幅減速も予想を上回り、個人消費の堅調ぶりを伺わせた。失業率は半世紀ぶりの低水準でもあり、さらなる追加利下げへの整合性には乏しい。シカゴFEDウオッチでの12月FOMCでは据え置き、とした確率が81.5%(10月31日時点)。市場心理を素直に反映させている。では、利下げ懸念は完全に払拭(ふっしょく)されたのか。カギはいまだ不透明である米中通商交渉の行方だろう。事実、米中交渉懸念が報じられた11月1日に据え置き確率は77.1%に低下した。筆者は10月25日のペンス米副大統領の演説からひもといて、合意には幾多の課題(不公平貿易や知財権、宗教・自由への圧迫などの見解差異)があり「利下げ打ち止め(≒米中通商合意)」、と決め打ちするには時期尚早の観を覚えている。
 ◇日銀緩和カード温存の理由
 FOMCから約9時間半後、日銀は金融政策決定会合において、方向指針であるフォワードガイダンスを修正した。これまでは大規模な金融緩和策を続ける期間を「来年春頃まで」としていたが、前号で筆者が予想した「秋・冬」とした延期ではなく、そのもの自体を削除。つまり、今回からは期間を定めず、粘り強く緩和を続ける姿勢を強調した。必要な場合には、今のマイナス金利をさらに引き下げる可能性を黒田総裁が示唆したようにも映る。安倍首相の政治信条、憲法改正に向けては有権者から支持を得るためにも、増税後の景気減速の回避は政府・日銀の「絶対的使命」とも言えるからだ。黒田総裁も、最近の米中関係は緊張緩和方向に向かっているとしつつも完全に解消したわけではないと記者会見で明言。米中関係の不確実性が残っている限り「追加緩和」のカードを温存し、円高抑制を企図している、読んでいる。
 ◇11月4日週ドル円焦点
 上値焦点は19年度大企業想定為替レート108円68銭、200日線推移の109円00〜10銭、10月30日と8月1日高値圏109円30〜33銭、5月31日高値109円63銭5厘。下値焦点は10月14日安値108円03銭、10月11日安値107円84銭5厘。割れたら10月10日安値107円03銭、10月9日安値106円92銭5厘と日足一目雲帯上下限(107円37銭6厘〜106円88銭5厘)を考察。
【ドル円予想レンジ】106円90銭〜109円50銭(了)
[時事通信社]
    

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