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◎〔週間外為見通し〕ドル円、リスクオン継続で上値余地あり=MUFG・内田氏

     内田稔・三菱UFJ銀行市場企画部グローバルマーケットリサーチチーフアナリスト=世界的な貿易数量の落ち込みが景気減速の起点となっている可能性が高い。この点に鑑みると中国側の発表内容の通り、関税が撤廃されるなら、今後の世界貿易の拡大が期待され、世界経済の明るい展望を描きやすくなる。市場が想定してきた対中制裁関税第4弾の先送り(残る1600億ドルに12月15日以降15%を賦課する内容)を上回る内容での合意に向けた期待が持続する限り、足もとの流れに乗ったリスク資産買い/安全資産売りの動きが続く可能性が高い。世界的に長期金利が上昇するとみられるが、円金利の上昇は相対的に見れば鈍いことから、日本の対外金利差は拡大するとみられる。この為、為替市場では円が全面安の様相を呈すると見込まれ、ドル円も110円の大台を回復する可能性はありそうだ。但し、「有事のドル買い」とは対照的に、リスクオンの地合いの下ではドルも軟調に推移する傾向がみられ、ドル自体の上昇も次第に和らぐと考えられる。従って、ドル円が続伸した場合も110円付近では戻り売りに押され、続伸を阻まれそうだ。円安に加え、ドルも上値の重さを増すようであれば、そのしわ寄せは徐々にクロス円の上げ幅(他通貨高/円安の動き)拡大へと波及しよう。
 もっとも、こうした期待が剥落する場面には要注意だ。中国商務省からの発表後、これまで米国側から公式な見解は示されておらず、一部では米国の政権内部に強い反対もあると報道されている。首脳会談の開催場所や時期も見通せてはおらず、12月にずれ込む可能性が高いようだ。そもそも、あまりに早急な中国との合意成立は、これまでのトランプ政権による対中強硬姿勢を評価してきた支持層の離反を招くおそれがあるほか、弱腰外交などと揶揄され、かえって大統領選での民主党候補者らによる攻撃対象ともなりかねない。これらを踏まえて、冷静さを取り戻した市場参加者が、利益確定の動きに転じる可能性は低くない。多くの国の主要な株式指数が、年初来の高値圏にて推移するなど、リスクオンの方向に振れているとみられるだけに、協議の状況や進展を注視しながら相場が調整する可能性には十分に注意したい。
 尚、来週は米国の消費者物価指数の発表やパウエル議長を含む多くのFOMC参加者の発言機会を控えている。最近の経済指標の好転や米中通商協議進展への期待を念頭に、米経済の先行きに対する自信を深めているとみられる。先のFOMCにおいて当面の利下げ打ち止めが示唆されているだけに、消費者物価指数が極端に予想から乖離しない限り、いずれの場合も大きな材料とはなりにくいだろう。
【来週のドル円予想レンジ】107円75銭〜110円25銭
(MUFG FX Weekly2019/11/8より転載)(了)
[時事通信社]
    

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