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◎〔週間外為見通し〕「110円意識の高所恐怖症」局面=岡三オンライン・武部氏

     武部力也・岡三オンライン証券投資情報部長兼シニアストラテジスト=“US considers dropping some tariffs on China(米国は対中国関税の一部撤廃を検討)”―。これは11月5日の英経済紙一面だ。これを受けた東京株式市場・日経平均株価は大幅反発し、節目2万3000円超、2018年10月10日以来の水準に上昇。米中が暫定合意する貿易交渉の署名場所についてトランプ米大統領は「It could even be in Iowa(アイオワ州かもしれない)」と発言。中国が農産品の輸入を拡大するという交渉の成果を、農家が多い中西部でアピールするつもり(大統領選挙戦に向けて)なのだろう。裏を返せばそれだけ署名合意に相応の自信がある、とも読めそうだ(その後、日時場所は未定に)。筆者は前号時点で米中通商合意を決め打ちするには時期尚早の観、としたが市場のリスク許容度は少しずつ改善されている。
 ◇1ドル110円に向けた高所恐怖症
 トランプ政権が対中制裁関税第4弾の一部撤廃を検討と報じられたが、既に第4弾の一部は米国が9月1日に発動済みだ。つまり残りの約1600億ドルに対する制裁(12月15日実施予定)が、見送られる公算、と読む向きが増加したのだ。米中での関税応酬の動きが低減化すればリスク選好の円安(ドル高)も思考されやすい。10月31日の米連邦公開市場委員会FOMCでは7月、9月に続き3回連続の利下げに踏み切ったが、パウエルFRB議長の姿勢からさらなる追加利下げはいったん休止、との見方が強まっている。11月8日時点では12月FOMC据え置き確率が91.9%にまで上昇。米中交渉への期待と最近の米指標を踏まえ、景気減速懸念の後退とした微妙な市場心理を反映させた格好だ。では、金利面でのドル買いインセンティブが対円で落ち着きつつある中で、1ドル110円越えをちゅうちょする理由は何か。一つは11月5日にポンペオ米国務長官が中国政府に対し、ウイグル族に対する全ての迫害をやめるよう強調するなど、中国の人権・内政・構造問題などでの対立の高まりが生じ、交渉白紙としてくすぶり続けること。二つ目は交渉署名後に米債逃避(金利低下)での反転逆流が米株式への資金流入を再増幅させ、米10年債金利2%回復、ドル高支援としたリスクオン再点火のシナリオに懐疑的だからではないか。市場心理としてドルブル派に傾斜しきれない証左は当社ドル円FX投資家の買い比率低下からもその一端がうかがえる。米中首脳の“手打ち”をいまだ懐疑的とした表れか。11月11日週は200日線攻防や欧米ヘッジファンド・機関投資家の決算に絡むドル転、本邦勢の米債償還に絡む需給での円転やドル再投資、11月13〜14日パウエル議長の議会証言などの場面に警戒している。
 ◇11月11日週ドル円焦点
 上値焦点は5月31日高値109円63銭5厘、5月31日高値109円93銭5厘、節目110円00銭、5月23日高値110円37銭、5月21〜22日高値110円63〜68銭。下値焦点は11月5日・7日安値108円64〜57銭、11月4日安値108円15銭、11月1日安値・10月11日安値107円88〜84銭5厘。
【ドル円予想レンジ】107円80銭〜110円50銭(了)
[時事通信社]
    

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